カンボジアで総選挙が行われ、与党が圧勝。フン・セン首相は辞任を表明し、息子のフン・マネット氏(写真)に首相の座を譲ることになった。今回も野党を徹底的に弾圧して実施された不公正な選挙であり、北朝鮮さながらの権力世襲化が行われた。ではカンボジア国民が独裁者による圧政で貧困にあえいでいるのかというと、そうではない。
長く続いた内戦の影響で、東南アジアのなかでは貧しい部類に入るものの、同国の成長率は極めて高く、過去20年間の平均GDP成長率(実質)は6.7%もある。特に近年はIT化が進み、国内経済は目覚ましい発展ぶりだ。

カンボジアのフン・セン首相も長いと思っていたら、首相の座を息子に譲る。
カンボジアは王国なので国王がいるが、フン家の独裁。
政治的には、北朝鮮のキム家と同じだ。

どうやら、東南アジアには、民主主義的な見栄えがあるけれど、実際は独裁国家が多い。
経済的には伸びていて、人々の生活が豊かになってきている。
だから、政治的な不満はそれほど高まっていないのだろう。

一方、先進国・民主主義的国家は、人々の生活は豊かだけれど、成長はそれほどでもない。
発展途上国と先進国との経済格差は、昔よりも縮んできていると思う。

皮肉なことだが、経済のグローバル化とデジタル化が経済活動の垣根を低くしてしまい、未成熟な国でも成長が可能となった。このため民主主義のコストを必要としない国のほうが有利に経済活動を展開できる状況となっている。このままでは民主主義は不要という恐ろしい議論すら台頭しかねない状況だ。

独裁政治の方が、効率良くできることが多いかもしれない。
経済が良くて豊かな時はいい。
いつまでもそれが続くかどうかは分からない。
民主主義は手間がかかり、結果的には無駄になってしまうこともある。
それが積もり重なり、今の成長がある。
豊かさというのは、経済だけで測れるものではない。
精神的に、自由であることも豊かさにつながる。

経済的に豊かになれば、独裁でもいいという考えも出てくるかもしれない。
しかし、独裁は独裁。
必ず腐敗し、その終末には人々の血が流れる…
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