正月が過ぎると、次はいよいよ「どんど焼き」の季節です。
子どもの頃、私の地域では近所の家々を回って正月飾りを集めるのが恒例行事でした。
大人たちが田んぼに立派な「おんべ(やぐら)」を組み、当日の早朝に点火します。
前日に竹の先にお団子を刺し、アルミホイルで包んで準備したものです。
火で炙ったお団子を砂糖醤油で食べるのが、何よりの楽しみでした。
書き初めの半紙を燃やし、「灰が高く舞い上がると字が上手くなる」という言い伝えに、空を見上げたのを覚えています。
変わりゆく風景と、教科書の記憶
今から15年ほど前のこと、小学2年生の国語の教科書に、まさにこの地域のどんど焼きについて書かれた作文が掲載されていました。
作文の書き方の手本として、授業で取り上げられていたのを覚えています。
大人になってからも地域活動の一環として手伝いをしてきましたが、時代の流れとともに風景は一変しました。
かつての田んぼは姿を消し、住宅やアパートが建ち並ぶようになりました。
どんど焼きを盛大に行う場所が、物理的になくなってしまったのです。
形を変えて、次代へ繋ぐ
しかし近年、どんど焼きは神社の境内で復活を果たしました。
もともと神社では、松の内まで境内で火を焚いていましたが、それをどんど焼きの行事と結びつけたのです。
昔のような巨大なおんべは作りませんが、お団子を焼くことも、書き初めを燃やすこともできます。
お団子の代わりにお芋を焼いたりと、新しい楽しみ方も生まれました。
かつてのような大掛かりな準備は難しくなりましたが、その分、現代でも無理なく続けられる形になっています。
場所や方法が変わっても、行事に込められた願いや意義は変わりません。
時代に合わせた形へと変化しながら、この大切な文化が次世代へ伝わっていけばいい。
炎を眺めながら、そんなふうに感じました。







